御府内八十八ヶ所第十二番札所、関東三十六不動霊場第十五番札所

四季の風景

曼珠沙華開花

2015年09月10日

『曼珠沙華はがねの力もてひらく』
俳人の北さとりさんの句です。曼珠沙華の放射状にひらく花弁が、自然による強く大きな力によって押しひろげられている様な感覚で表現されています。竹細工のようにしなやかできれいな花だと思っていましたが、この句を知って以来、境内に咲く花を見るたびにより力強さと生命力を感じるようになりました。
曼珠沙華とはサンスクリット語では『赤い』を意味し、法華経にもでてくる天上の花でもあります。一般的には秋のお彼岸に咲く「彼岸花(ヒガンバナ)」と呼ばれています。呼び名がたくさんあり、花の時に葉を見ず葉の時に花を見ないので「ハミズハナミズ」、傘のような形状から「天蓋花」、彼岸に咲くことから「死人花」「地獄花」なんて呼ばれることもあるようです。
田んぼのあぜ道や墓地でよくみかけますが、鱗茎に毒性を有する花なのでもぐらやネズミに荒らされるのを防ぐために人為的に植えられたそうです。有毒成分は水溶性で無害化できることもあり、飢饉や戦時中の救荒植物として食用とされたこともあるようです。
今年は天候不順のせいなのか、例年より早い開花となりました。この調子ですと、お彼岸まで花がもつか心配です。できるだけ長い期間きれいな深紅の花を楽しませて欲しいものです。

裏庭に咲く深紅の曼珠沙華

曼珠沙華の芽がでているようすです。
まるでアスパラガスみたいです。

境内では数少ない白い曼珠沙華。

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