御府内八十八ヶ所第十二番札所、関東三十六不動霊場第十五番札所

宝仙寺について

2024年1月:ご挨拶

2024年01月01日

 新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

コロナウイルスはまだ安心はできませんが、やっと落ち着いてきたように感じます。
しかし、心配事が無くなったわけではなく各地で戦争が起こっております。
なかなか世界が平和な状態になりません。何が起こるかわかりませんが、今年は良い方向の出来事が起こりますように期待したいと思います。

先月12月12日に総本山長谷寺の陀羅尼会(興教大師の御命日法要)に出仕してまいりました。今年も暖かい陀羅尼会でした。改めて静かな長谷寺を眺めてみますと、山の中腹にこのようなお堂を昔に建てたことが大変だった事が窺われます。観音堂は国宝に指定されていますので国から補助金が出ますがこれだけでは維持が大変です。わが国には奈良・京都を初め多くの国宝がありますけれど、維持管理には大変な苦労と費用が掛かります。
昨年、国立科学博物館が標本資料の収集保存への支援のため、クラウドファンディングで寄付を呼びかけ9億数千万円が集まったそうです。国立博物館の標本資料の資金が国から出ないからクラウドファンディングで資金を集めるというのはどういうことでしょうか。
日本政府の文化に対する支出額は国民1人あたり922円、フランスは7079円、韓国6705円だそうで、日本の額が大きく見劣りします。先進国? とは思えない情けなさです。
昨年の漢字は「税」でした。集めた税金はどこに行ったのでしょう、国民が納得する使い道を示して国を良くするために働くのが政治家の仕事だと思いますが、政治家はそのように働いているでしょうか。

コロナウイルス禍で世の中がなんでも簡略にすることが当たり前になっておりますが、略して良いものと従来通りに戻していかなければならないもの、例えば伝統・文化・慣習そして人間関係などがあると思います。
宝仙寺は檀信徒の皆様のご協力により、お蔭さまで新書院も無事完成し、利便性も上がったと感じております。今年は例年通りに行事を戻して行いたいと考えておりますので、是非ご参加くださいますようにお願いいたします。

令和六年 元旦

宝仙寺住職 富田 道生

10月

不動明王(宝仙寺蔵)