異常な高温の夏・秋がようやく少し落ち着いてきたようです。１０月の衣替えの時期になると我々僧侶は夏物の衣から冬物に変えますが、最近の気温に対応するため6月の衣替えも１０月の衣替えも時期を少しずらして対応しております。１０月１日より冬物の衣は暑くて着られません。

宝仙寺の境内にある山桜の老木がついに枯れてきて危険になりましたので、誠にかわいそうでしたが伐採いたしました。数年前より元気がなくなっておりましたが、この暑さも影響が有ったと思います。山桜の花はソメイヨシノの花とはまた違って可憐な花でしたがとても残念です。

 

　自由民主党総裁選挙が行われております。経済政策・与野党連携等問題点は沢山有りますが、我が国のトップになるかもしれない人物が、内向きな大衆受けする目先の政策ばかりで、国家の先行きにかかわる外交・安全保障問題など中長期的な問題に触れている候補者がいないに等しい状況は非常に残念に思います。国民を甘く見すぎていませんか。

 

　宝仙寺はご存じの通り真言宗豊山派に属しており、本山は奈良の長谷寺です。

長谷寺は来年開山１３００年を迎えます。それを記念して五重塔の修復が行われ勧募が行われおります、是非ご協力をお願いいたします。

長谷寺の本尊様は十一面観音様で、十一のお顔で各方面を見て優しい慈悲の心で私達を導いてくださいます。

一方、宝仙寺の本尊不動明王様は、間違った方向に行ってしまいそうな人も右手にお持ちの利剣と左手にお持ちの羂索で、力ずくで正しい方向に連れていって下さる姿を表しております。

真言宗の各お寺には阿弥陀如来様、薬師如来様、お地蔵様など沢山の仏様がいらっしゃいます。それぞれの仏様の役割によって我々のいろいろな悩み苦しみに対応して、人々をすべて救おうとなさっている姿を表しております。

各仏様のお持ちになっている物（持物）によってその仏様の役割を表しておりますので、お寺にお詣りになった際には、各仏様のお持ちになっている物にも注目してお詣りして下さい。

 

令和７年１０月

宝仙寺住職　富田道生