御府内八十八ヶ所第十二番札所、関東三十六不動霊場第十五番札所

宝仙寺について

2015年04月:ご挨拶

2015年04月01日

 宝仙寺の境内では梅の時期を過ぎ白モクレンが咲き、桜が咲いていよいよ本格的な春になってきました。これからは暖かいちょうど良い気温からあっという間に暑い時期に移っていきます。寒いころは暖かさを期待し、暑い季節になると、涼しかったころが懐かしくなり勝手なものです。
 精神科医の香山リカさんが"うらやましがらないで"という話を書いています。
ある40歳の女性は、独身のまま仕事を続けてきたが「同級生の多くは結婚、出産を経験している」がこれでよかったのか。
ある女性は、20代で結婚して専業主婦となり、二人の子供を育てているが、「友達の多くは何らかの仕事をして社会貢献しているのに、私は世間知らずのままで私自身は何もしていない」。
三人目の女性は、仕事をしながら子育てもしている。この人なら人生に満足しているに違いないと思いきや、どれもこれも中途半端。「仕事なら仕事、家庭なら家庭とはっきり自分の方針を決めている人がうらやましい」と彼女もまた、自分を責めて落ち込んでいた。
自分ができなかったほうの生き方がとたんに輝いて見えてきて、「ああだったらよかったのに」などと考えるようになる。今の自分の生き方を失敗、敗北だと考えるようになる。
この連鎖を断ち切るには、誰かを「うらやましい」と思ったときに、「私が目にしているのはその人の一部分だけ」と自分に言い聞かせることだろう。
と書いています。
まさに「隣の芝生は青く見える」です。皆さんはいかがですか。
 お釈迦さまが、最後に説法をされたとされる「佛遺教経(ゆいきょうぎょう)」というお経があります。ちなみに宝仙寺ではお通夜でこのお経を唱えています。
この中で、知足(ちそく)(足るを知る)ということを説かれています。人間の欲はきりがありません、欲がないと向上心が生まれませんが、一方で自分の置かれた状況を冷静に認めることも大切ではないでしょうか。

平成27年4月

宝仙寺住職 富田道生