御府内八十八ヶ所第十二番札所、関東三十六不動霊場第十五番札所

宝仙寺について

2013年05月:ご挨拶

2013年05月01日

 今年の春は駆け足でやってきました。桜はお彼岸中に咲いてしまい各地のお花見の企画は大幅修正を迫られました。宝仙寺の「お花まつり」は例年通り4月8日の前の土曜日に行われましたので、桜はすでに終わりましたが他の花や新緑がきれいになりはじめていました。今は新緑が日に日に濃くなっています。

さて、ある新聞にこんなことが書いてありました。
 "北風もあれば太陽もある、ということだ。囲碁の日本棋院が最近、対局中の棋士の携帯電話が2度鳴ったら即負けにする規則を取り入れた。まわりの棋士の迷惑を考えて携帯を厳しく取り締まる、いわば北風流だろう。
一方、米ロサンゼルスのレストランは入り口で携帯を預けると勘定を5%割り引くサービスを始めた。お客さんの4割が携帯抜きで食事をしているそうだ。「気を散らすものを持たず、目の前の料理と対話を楽しんでほしい」とオーナーシェフは話しているという。こちらはご褒美付きでやんわり携帯にご遠慮願う太陽流か"
 携帯電話の使用マナーに限らず(私はたばこを吸わないのでたばこのマナーが非常に気になります)我々は他人に迷惑をかけてはいけないことは知っていますけれど、夫々の人によりその価値の程度が違います。世間で注意しましょうと言っている事柄にはお互いに気を使うのが常識だと思います。注意をされないからまだ大丈夫かな、というようなさもしい行動は厳に慎むべきだと思います。
 皆様と一緒に唱えるおつとめの中に、十善戒があります。子供の頃悪いことをするとバチが当たると言われました。十善戒の戒は規則ではなく罰則もありませんが、自分で自分にブレーキを掛けるものです。
北風流と太陽流を上手く使い分けて、マナー違反をお互いに気を付けながら気持ち良い日常生活がしたいものです。

平成25年5月

宝仙寺住職 富田道生